救急隊員になるには?資格は「救急科」250時間の修了|救急救命士・消防隊との違いを現役14年目の消防士が正直に解説

赤い警光灯をつけて夜の道路を走る日本の救急車 消防士のリアル
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救急車に乗っている3人が、全員救急救命士とは限りません。
救急隊員になるのに、救急救命士の資格は必須ではないからです。

現役14年目の消防士です。
階級は消防士長で、採用8年目に救急救命士の資格を取りました。
いまは救急隊に乗ることが多いです。

そんな私も、採用されたころは救急車に一度も乗ったことがありませんでした。
救急隊員になるための「救急科」を消防学校で受けたのは、採用1年目のことです。

「救急隊員になるには、何の資格がいるの?」
「救急救命士とは何が違うの?」
「消防隊や救助隊とは、どう違うの?」
この記事では、こうした疑問に、私自身の経験と、法律や国の基準で答えます。

📋 この記事を読むと分かること

  • 救急隊員になるまでの2つのステップ(消防士になる→救急科を修了する)
  • 救急科(250時間)の中身と、1年目に受けた現役の体験
  • 救急隊員と救急救命士の「できる処置」の違い(表で比較)
  • 消防隊・救助隊との違いと、救急と火災の「ゴール」の違い
  • 現役が考える、救急隊員に向いている人
    1. 📋 この記事を読むと分かること
  1. ✅ 結論:救急隊員になるには「消防士として採用→救急科を修了」の2段階
  2. 救急隊員の資格要件「救急科」とは|期間・中身・どこで受けるか
    1. ① 救急科の中身|250時間で学ぶ5つの科目
    2. ② 期間はどれくらい?|計算すると約7週間
    3. ③ 私の救急科|1年目・約2か月の寮生活で、授業のあとも毎日訓練
    4. ④ 准救急隊員とは?|92時間の「准救急科」
  3. 救急隊員と救急救命士の違い|できる処置の差を表で
    1. 救急隊員から救急救命士になる道(消防職員の場合)
    2. 救急救命士になって変わったこと|判断が増えた。やりがいも増えた
  4. 消防隊・救助隊との違い|同じ消防士でも仕事はこう違う
    1. 救急と火災の現場は「ゴール」が違う
    2. 私の本部は「兼任」|消防隊・救助隊としても出動してきた
  5. 救急隊の当務(24時間勤務)はどんな感じ?|「眠れない側」のリアル
  6. 救急隊員に向いている人|現役の答えは「自己研鑽を続けられる人」
  7. よくある質問
    1. Q. 救急隊員になるには資格が必要ですか?
    2. Q. 救急科は、採用されて何年目に受けますか?
    3. Q. 救急隊員と消防士は同じですか?
    4. Q. 救急隊員ができないことは?
    5. Q. 救急救命士の資格があれば、すぐに救急隊に乗れますか?
    6. Q. 救急車に乗ったことがなくても、救急隊員になれますか?
    7. Q. 救急隊の消防士は給料が高いですか?
  8. 楽天でも買えます
  9. まとめ|救急隊員への道は「採用」と「救急科」から始まる

✅ 結論:救急隊員になるには「消防士として採用→救急科を修了」の2段階

消防の救急隊員になるには、次の2段階をふみます。

ステップやること決めている法令
① 消防士になる消防本部の採用試験に合格し、消防吏員(いわゆる消防士)として採用される消防法施行令 第44条第5項
② 救急科を修了する消防学校の救急科(250時間以上の救急業務に関する講習)を修了する消防法施行規則 第51条

国の決まり(消防法施行令 第44条)では、救急隊員は「消防吏員」、つまり消防士の中から選ぶことになっています。
そのうえで、救急業務に関する講習(=救急科)を修了した人か、それと同等以上の知識がある人であることが条件です。

「同等以上」に当たるのは、医師・保健師・看護師・准看護師・救急救命士です。
つまり、救急救命士の資格を持っている消防士なら、救急科を受けなくても救急隊員になれます。
逆に言うと、救急救命士の資格だけを持っていても、消防士として採用されていなければ、消防の救急隊員にはなれません。

ちなみに救急隊は、救急自動車1台と救急隊員3人以上で編成するのが原則です。
冒頭の「3人」は、ここから来ています。

救急隊が出動するのは、交通事故やけがだけではありません。
家の中での事故や、命にかかわる病気、症状が大きく悪くなるおそれのある病気も、救急業務の対象です。

採用されると、まず全員が消防学校で「初任教育」を受けます。
国の基準では、初任教育の標準は800単位時間(1単位時間=50分の授業1コマ)で、そのうち救急は50単位時間です。
救急隊員に必要な250時間には届かないので、別に救急科を受ける必要があります。

※出典:e-Gov法令検索 消防法施行令 第42条・第44条第1項・第5項/e-Gov法令検索 消防法施行規則 第51条・第51条の2/e-Gov法令検索 消防法 第2条第9項/消防庁告示「消防学校の教育訓練の基準」第3条・第12条・別表第一(いずれも2026年10月に確認)

採用試験の流れや、必要な年齢・資格はこちらにまとめています。

👉 消防士になるには?現役14年目が採用試験・面接・必要な資格や年齢を正直に解説【体験談】

救急隊員の資格要件「救急科」とは|期間・中身・どこで受けるか

救急科は、消防学校で行う「専科教育」のひとつです。
専科教育とは、現場で働いている消防職員が、特定の分野を専門的に学ぶ教育訓練のことです。
国の基準では、専科教育は8つあり、救急科のほかに警防科・救助科・予防査察科などがあります。

救急科は、主に都道府県(と一部の政令指定都市)が設置する消防学校で受けます。

① 救急科の中身|250時間で学ぶ5つの科目

救急科の時間数は、消防庁が出している基準(告示)と、消防法施行規則という国の決まりの両方で、同じ数字が決められています。

科目時間数
救急業務及び救急医学の基礎50
応急処置の総論73
病態別応急処置67
特殊病態別応急処置25
実習及び行事35
合計250

「病態別」は、心肺停止・ショック・意識障害・出血・けが・やけど・中毒など、症状や病気の種類ごとに学ぶ科目です。
「特殊病態別」は、子ども・高齢者・お産・精神科の救急など、特に配慮がいる人や場面ごとに学ぶ科目です。

消防法施行規則で、救急隊員になるための講習が「250時間以上」と決められたのは、平成29年4月からです。
それより前に、以前の決まりの講習を修了した人も、引き続き救急隊員として認められています(経過措置)。
これから救急隊員を目指す人は、250時間の救急科だと考えてください。

② 期間はどれくらい?|計算すると約7週間

国の基準では、1単位時間は50分、1週間は35単位時間が目安です。
単純に計算すると、250÷35で約7週間になります。
ただし、実際の時間割は消防学校ごとに決めるので、期間は学校によって違います。
私の救急科は、約2か月でした。

※出典:消防庁告示「消防学校の教育訓練の基準」第1条・第3条・第5条・第12条・別表第二/e-Gov法令検索 消防法施行規則 第51条・附則(平成29年総務省令第4号)/e-Gov法令検索 消防組織法 第51条(いずれも2026年10月に確認)

③ 私の救急科|1年目・約2か月の寮生活で、授業のあとも毎日訓練

私の勤める消防本部では、救急科は採用1年目に受けることが決まっています。
私も、その決まりどおりに受けました。
期間は約2か月で、そのあいだは消防学校の寮で生活しました。
私の本部では、専科は基本的にすべて、消防学校に入って寮生活です。

印象に残っているのは、課業(授業)が終わったあとも、毎日訓練をしていたことです。
しかも私は、救急科に入るまで救急車に乗ったことが一度もありませんでした。
そこから、授業と訓練で救急隊員としての土台を作った2か月でした。

授業で使った教科書は、「救急隊員標準テキスト」の前の版です。
最新版は、記事の後半で紹介します。

④ 准救急隊員とは?|92時間の「准救急科」

救急科とは別に、「准救急科」という92時間の課程もあります。
これは「准救急隊員」になるための講習です。

平成29年4月からは、過疎地域や離島など一部の地域で、救急隊員2人と准救急隊員1人で救急隊を組めるようになりました(市町村が計画を定めた場合)。
准救急隊員になるのは、消防の仕事も兼ねている役場の職員など、消防士ではない職員です。
令和7年4月1日現在、全国で16人です。

※出典:e-Gov法令検索 消防法施行令 第44条第2項・第6項/e-Gov法令検索 消防法施行規則 第51条の2の2/総務省消防庁「令和7年版 救急・救助の現況」Ⅰ救急編(いずれも2026年10月に確認)

救急隊員と救急救命士の違い|できる処置の差を表で

よく混同されるのが、「救急隊員」と「救急救命士」です。
ひとことで言うと、救急隊員は消防の中の役割で、救急救命士は国家資格です。

比べるところ救急隊員救急救命士
どんな資格?国家資格ではない。消防士が救急科を修了すると、救急隊員として働ける厚生労働大臣の免許を受ける国家資格
決めている法令消防法施行令・消防庁告示救急救命士法
できること告示で決められた観察と応急処置(気道確保・人工呼吸・胸骨圧迫(心臓マッサージ)・AEDによる除細動・酸素吸入・止血・骨折の固定など)救急隊員の応急処置に加えて、医師の指示の下で「救急救命処置」
医師の具体的な指示が必要な「特定行為」対象外(告示の応急処置に含まれない)国が指定した薬剤を使う輸液、国が指定した器具を使う気道確保、国が指定した薬剤の投与
なるまでの道(消防職員の場合)採用→救急科(250時間)救急業務5年または2,000時間→養成課程(6か月以上)→国家試験

救急隊員ができる観察や応急処置は、消防庁の告示「救急隊員及び准救急隊員の行う応急処置等の基準」で、項目が決められています。
原則は、短い時間で行えて効果が客観的に認められ、決められた資器材で行える処置であることです。

救急救命士は、救急救命士法で「医師の指示の下に、救急救命処置を行うことを業とする者」と定められています。
なかでも、輸液・器具による気道確保・薬剤の投与の3つの「特定行為」は、医師の具体的な指示がなければ行えません。
処置のやり方はここでは書きませんが、「誰が・何を・誰の指示で行えるか」が、法律ではっきり分けられているということです。

医師の具体的な指示で行う「特定行為」は、制度ができた平成3年の時点では、除細動・輸液・器具による気道確保の3つだけでした。
平成15年4月には、除細動を、医師の具体的な指示がなくても(包括的な指示で)行えるようになりました。
平成16年7月には気管挿管、平成18年4月には薬剤(エピネフリン=アドレナリン)の投与が加わりました。
平成26年4月には、心肺機能停止前の重い傷病者への輸液なども加わっています。
令和3年の法改正では、病院に着いてから入院するまでの間も、救急救命処置を行えるようになりました。

全国の救急隊は5,485隊あります(令和7年4月1日現在)。
そのうち5,472隊(99.8%)は、3人のうち1人以上が救急救命士の「救急救命士運用隊」です。
救急救命士は「1人以上」なので、ほかの隊員は救急科を修了した救急隊員、ということもあります。
冒頭で「全員が救急救命士とは限らない」と書いたのは、こういうことです。

※出典:消防庁告示「救急隊員及び准救急隊員の行う応急処置等の基準」第4条〜第7条/e-Gov法令検索 救急救命士法 第2条・第43条・第44条/e-Gov法令検索 救急救命士法施行規則 第21条/総務省消防庁「令和7年版 消防白書」第2章第5節 4.(2)救急救命士の処置範囲の拡大/厚生労働省「本ワーキンググループ開催の経緯と今後の進め方等について」(令和5年8月)/総務省消防庁「令和7年版 救急・救助の現況」Ⅰ救急編(第6表)(いずれも2026年10月に確認)

救急隊員から救急救命士になる道(消防職員の場合)

消防の中から救急救命士を目指す場合は、次の流れになります。

  • ① 救急科などを修了して、救急隊員になる
  • ② 救急隊員として5年、または救急活動2,000時間以上の経験を積む
  • ③ 救急救命士の養成課程(6か月以上)を修了する
  • ④ 国家試験に合格する
  • ⑤ 消防の救急救命士として働く前に、160時間以上の病院実習を受ける
  • ⑥ その後も、2年ごとに128時間以上(うち病院実習48時間以上)の再教育を受ける

※出典:総務省消防庁「令和7年版 消防白書」第2章第5節 4.救急業務高度化の推進/e-Gov法令検索 救急救命士法 第34条第4号/e-Gov法令検索 救急救命士法施行規則 第14条〜第16条(いずれも2026年10月に確認)

私は、救急隊員として約6〜7年乗ってから、救急救命士の養成課程がある研修所に入りました。

救急救命士になって変わったこと|判断が増えた。やりがいも増えた

私は、救急隊員として現場に出たあと、8年目に救急救命士になりました。
やれる処置が変わったので、判断することが増えました。
その分、やりがいも増えました。

研修所に行くまでの経緯や手当の変化、国家試験の勉強法は、別の記事にまとめています。

👉 救急救命士を取ると消防士の給料は上がる?条例で見る手当の差は1回110〜360円|取得翌月に消防士長になった現役14年目のリアル

👉 救急救命士国家試験の勉強法|研修所に入る前に合格レベルまで仕上げた現役消防士が使った教材2冊と1年の手順

消防隊・救助隊との違い|同じ消防士でも仕事はこう違う

救急隊員は、消防士の中の「隊」のひとつです。
消防の現場で働く隊には、救急隊のほかに、消防隊や救助隊があります。

比べるところ消防隊救助隊救急隊
主な役割火災から生命・身体・財産を守り、被害を小さくする人命の救助(特別な救助器具を備えた隊)傷病者を医療機関などへ緊急に運ぶ(応急の手当を含む)
隊員の条件・目安消防吏員など人命の救助に関する専門的な教育を受けた隊員5人以上で編成するよう努める救急科を修了した消防吏員など(救急自動車1台・3人以上が原則)
消防学校での教育(国の基準)必須の専科はなし(基本は初任教育で学ぶ)専科の救助科(140単位時間)専科の救急科(250単位時間)

救急と火災の現場は「ゴール」が違う

救急と火災の現場の違いを、ひとことで聞かれたら、私はこう答えます。
「そもそも災害の種類が違うし、ゴールが違う」。
これは、消防の法律の第1条を読むとよく分かります。

消防法 第1条(目的)を見てみます。
火災から「国民の生命、身体及び財産」を守ることと、災害による「被害を軽減する」ことが書かれています。
そのあとに、「災害等による傷病者の搬送を適切に行い」と、救急のことが別に書かれています。

消防組織法 第1条(消防の任務)も同じ形です。
火災からの保護や、災害の防除・被害の軽減と並んで、「災害等による傷病者の搬送を適切に行うこと」が、消防の任務として書かれています。

どちらの条文も、火災や災害のことと、救急のことが、分けて書かれています。

  • 🔥 火災・災害:生命・身体・財産を「火災から保護」し、災害による「被害を軽減」する
  • 🚑 救急:災害等による「傷病者の搬送を適切に行う」

火災の現場で向き合うのは、燃えている火と、その被害です。
救急の現場で向き合うのは、事故や病気でけがをしたり、具合が悪くなったりした人(傷病者)です。
そもそも、相手にする出来事の種類が違います。

火災の現場では、火を消し、人や建物を守って、被害を小さくすることがゴールです。
救急の現場では、傷病者を医療機関などへ適切に運ぶことがゴールです。
同じ消防士でも、救急の現場と火災の現場では、目指すところが違います。
私が「ゴールが違う」と答えるのは、この条文のとおりだからです。

私の本部は「兼任」|消防隊・救助隊としても出動してきた

救急隊員には、救急業務だけを担当する「専任」と、救急業務以外の消防業務も兼ねる「兼任」があります。
全国では、専任が2万1,253人(31.4%)、兼任が4万6,435人(68.6%)で、兼任のほうが多数です(令和7年4月1日現在)。

私の本部の救急隊員も兼任で、救急・消防・救助のすべてを担っています。
私も救急隊だけでなく、消防隊・救助隊としても出動してきました。
全国でも救急隊員の約7割が兼任なので、救急隊員を目指す人は、救急以外の消防の仕事も担う可能性が高いと知っておいてください。

※出典:e-Gov法令検索 消防法 第1条・第2条第8項・第9項・第36条の2/e-Gov法令検索 消防組織法 第1条/e-Gov法令検索 消防法施行令 第42条・第44条/e-Gov法令検索 救助隊の編成、装備及び配置の基準を定める省令 第1条・第2条/消防庁告示「消防学校の教育訓練の基準」第4条・別表第一・別表第二/総務省消防庁「令和7年版 救急・救助の現況」Ⅰ救急編(いずれも2026年10月に確認)

救急隊の当務(24時間勤務)はどんな感じ?|「眠れない側」のリアル

令和6年中の全国の救急出動件数は771万8,380件でした。
約4.1秒に1回の割合で、どこかの救急隊が出動した計算です。
救急出動件数・搬送人員とも、集計を始めた昭和38年以降で最も多くなっています。

搬送された人の63.3%は、65歳以上の高齢者でした。
現場に着くまでの時間は、全国平均で約9.8分でした。

私の本部は2交代制で、24時間の勤務(当務)を月に11回ほどくり返します。
22時〜6時は休憩扱いですが、そのうち2時間は、交代で受付業務(夜間の電話や来庁者への対応)があります。

救急の要請は、夜中でも入ります。
同じ当務でも、夜に眠れる人と、ほとんど眠れない人がいます。
救急隊に乗ることが多い私は、「眠れない側」で過ごしてきた時間のほうが長いです。

出動の件数や、具体的な現場の話は書きません。
守秘義務があるのと、本部が特定されないようにするためです。

※出典:総務省消防庁「令和7年版 消防白書」第2章第5節 1.救急業務の実施状況(令和6年中の数値)/総務省消防庁「令和7年版 救急・救助の現況」はじめに(いずれも2026年10月に確認)

当務の24時間の流れと、1か月の休みの数字はこちらです。

👉 消防士の1日を全公開|現役14年目のリアルな24時間スケジュール【仮眠・訓練・出動】

👉 消防士の休みは多すぎ?2交代制の現役14年目の1か月を公開|当務11回・非番11日・週休8日と「1日行って2日休み」の本当の話

救急隊員に向いている人|現役の答えは「自己研鑽を続けられる人」

救急隊員に向いているのは、どんな人か。
私の答えは、「日々向上心をもって、自己研鑽できる人」です。
理由は、救急医療が常に進化しているからです。

先ほど書いたとおり、救急救命士ができる処置は、平成3年から何度も広がってきました。
救急隊員は、国の「救急業務に携わる職員の生涯教育の指針」にもとづいて、新任・現任・隊長など、役割に応じた教育を受けることとされています。
救急救命士は、資格を取ったあとも2年ごとに128時間以上の再教育があります。

救急医療は常に進化しているので、救急隊員になってからも学び続けることが欠かせません。

※出典:総務省消防庁「令和7年版 消防白書」第2章第5節 4.救急業務高度化の推進(2026年10月に確認)

よくある質問

Q. 救急隊員になるには資格が必要ですか?

国家資格は必要ありません。
ただし、消防士(消防吏員)として採用されたうえで、消防学校の救急科(250時間)を修了する必要があります。
医師・看護師・救急救命士などの資格がある消防士は、救急科を受けなくても救急隊員になれます。

Q. 救急科は、採用されて何年目に受けますか?

私の本部では、採用1年目に受けることが決まっています。
ただ、いつ受けるかは、本部によって違う可能性があります。
気になる人は、目指す本部の説明会などで聞いてみてください。

Q. 救急隊員と消防士は同じですか?

救急隊員も、消防士の一人です。
国の決まりで、救急隊員は消防吏員(消防士)の中から選ぶことになっています。
私の本部のように、救急業務以外の消防業務も兼ねる「兼任」が多く、全国の救急隊員の68.6%が兼任です(令和7年4月1日現在)。

Q. 救急隊員ができないことは?

応急処置は、消防庁の告示で決められた範囲で行います。
輸液や薬剤の投与、国が指定した器具を使う気道確保は「特定行為」と呼ばれます。
特定行為は、救急救命士が医師の具体的な指示を受けて行う処置です。
救急科を修了しただけの救急隊員は、行えません。

Q. 救急救命士の資格があれば、すぐに救急隊に乗れますか?

消防の救急隊に乗るには、まず消防士として採用されることが前提です。
採用後は、全員が消防学校で初任教育を受けます。
そのうえで、救急救命士の資格があれば、救急科を受けなくても救急隊員になれます。
ただし、消防の救急救命士は、救急業務に就く前に160時間以上の病院実習を受けることとされています。

Q. 救急車に乗ったことがなくても、救急隊員になれますか?

なれます。
私自身、救急科を受けるまで救急車に乗ったことがありませんでした。
救急科は、現場で働く消防職員が、救急の知識と技能を専門的に身につけるための課程です。

Q. 救急隊の消防士は給料が高いですか?

救急隊に乗っているからといって、給料が大きく上がるとは限りません。
出動にかかわる手当があるか、いくら付くかは、本部(自治体)ごとの決まりで違います。
私の本部には出場手当はなく、代わりに特殊勤務手当があります。
手当の中でいちばん大きいのは休日手当です。
休日手当は、救急隊かどうかに関係なく、祝日や年末年始の勤務に付く手当です。
条例で見る手当の実例は、上で紹介した「救急救命士を取ると消防士の給料は上がる?」の記事にまとめています。

楽天でも買えます

私が救急科で使ったのは、「救急隊員標準テキスト」の前の版でした。
いま出ている最新版は、2018年12月発行の改訂第5版です(へるす出版/定価7,260円・税込)。
出版社の紹介では、関連する法律の改正や「JRC蘇生ガイドライン」などの改訂に対応した「1冊完結型」の教科書です。

すでに消防士で、これから救急科を受ける人や、基礎を見直したい人向けの教科書です。
採用試験(教養試験)の勉強に使う本ではありません。
発行から時間がたっているので、その後の制度の改正は入っていない可能性があります。

※出典:へるす出版「改訂第5版 救急隊員標準テキスト」書籍紹介ページ(2026年10月に確認)

救急隊員標準テキスト 改訂第5版(へるす出版)

編集:救急隊員用教本作成委員会/出版社:へるす出版/発行:2018年12月(改訂第5版)/定価:7,260円(税込)

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まとめ|救急隊員への道は「採用」と「救急科」から始まる

この記事のポイントです。

  • 救急隊員になるには「①消防士として採用される→②消防学校の救急科(250時間)を修了する」の2段階
  • 救急科は消防学校の専科教育。私は1年目に約2か月の寮生活で受け、授業のあとも毎日訓練した
  • 救急隊員は消防の中の役割、救急救命士は国家資格。特定行為は救急救命士が医師の具体的な指示で行う
  • 消防法・消防組織法の第1条でも、火災と救急はゴールが分けて書かれている
  • 救急医療は常に進化している。向いているのは、日々向上心をもって自己研鑽できる人

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