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「消防士って、休み多いよね」
よく言われます。でも、職場にいる時間はかなり長いです。
現役14年目の消防士で、救急救命士の資格も持っています。私の本部は2交代制で、24時間の勤務と休みをくり返す働き方をしています。
実際に私の1か月を数えると、当務(24時間勤務)が11回、非番が11日、週休が8日ほど。非番も休みに数えれば、たしかに日数は多くなります。
ただ、休みの日数だけでは見えないことがあります。この記事では、現役の目線で「休みが多い」の中身を正直に話します。
📋 この記事を読むと分かること
- 消防士の勤務形態(毎日勤務・2部制・3部制)の基本
- 現役消防士の1か月の内訳(当務・非番・週休・調整休)
- 「1日行って2日休み」は本当か
- 年休・夏季休暇・連休・非番の出勤・非常招集のリアル
- 「休みが多いから消防士に」という志望動機をどう見るか
- 消防士の勤務は「毎日勤務」と「交替制勤務」の2種類
- 現役14年目の1か月の内訳|当務11回・非番11日・週休8日ほど
- 「1日行って2日休み」は本当?
- 会社員と比べると?|平均の年間休日と並べてみた
- 「休みが多い」と言われて思うこと|拘束時間はかなり長い
- 休みと給料の関係|祝日・年末年始の勤務には「休日手当」
- 年休(有給)は年20日+夏季休暇5日|連休にはしやすい
- 休みの日でも出勤することがある
- 休みの日の過ごし方|家族・運動・自己研鑽
- 「休みが多いから消防士になりたい」はアリ?
- 消防士を目指す人へ|休みについて事前に確かめておきたい3つ
- よくある質問
- まとめ|非番も数えれば休みの日数は多い。でも「拘束時間」とは分けて考える
消防士の勤務は「毎日勤務」と「交替制勤務」の2種類
まず制度の話から。総務省消防庁の消防白書では、消防職員の勤務体制は「毎日勤務」と「交替制勤務」に大きく分けられ、交替制勤務は主に「2部制」と「3部制」に分かれる、と説明されています。
| 勤務形態 | 中身 | 主な担当 |
|---|---|---|
| 毎日勤務 | 平日の昼間に勤務する、週休2日制の働き方 | 総務・予防・警防の事務など |
| 2部制(2交替) | 2つの班に分かれ、当番(24時間勤務。この記事でいう「当務」)と非番を1日おきにくり返し、一定の期間で週休日を取る | 消防隊・救急隊・救助隊など |
| 3部制(3交替) | 3つの班に分かれ、当番・非番・日勤を組み合わせて勤務し、一定の期間で週休日を取る | 消防隊・救急隊・救助隊など |
消防庁のサイトでは、消防本部の例として、2交替は8日で1サイクル、3交替は21日で1サイクルという勤務表も紹介されています。どの形で働くかは、消防本部や担当によって変わります。
出典:総務省消防庁「令和4年版 消防白書」勤務条件等/総務省消防庁「女性消防吏員の活躍推進のためのポータルサイト」勤務形態
私の本部は2部制(2交代制)です。ここからは、私の実際の数字の話です。
現役14年目の1か月の内訳|当務11回・非番11日・週休8日ほど
私の1か月は、だいたい次のとおりです。
| 区分 | 1か月の目安 | どんな日か |
|---|---|---|
| 当務 | 11回 | 朝から翌朝までの24時間勤務 |
| 非番 | 11日 | 当務明けの日。朝に交替して帰宅する |
| 週休 | 8日 | 完全な休みの日 |
| 調整休 | 入ることがある | 勤務時間が多くなりすぎた分、当務の日が休みに変わる |
ここが、中に入らないとイメージしにくいところなので、順番に説明します。
私の2交代制は、「当務→非番」を3回くり返したあとに週休が2日続く、8日で1周の並びです。消防庁が紹介している「2交替は8日で1サイクル」と同じ形です。
- 当務
- 非番
- 当務
- 非番
- 当務
- 非番
- 週休
- 週休
サイクルの最初の6日間は当務と非番が交互に続き、最後に週休が2日まとまって来るイメージです。
このサイクルをそのまま回すと、決められた勤務時間より多く働くことになります。公務員は1週間あたりの勤務時間が決まっていて(国家公務員は週38時間45分。地方公務員も条例で同じ水準にしているのが一般的です)、その時間に合わせるために「調整休」が入ります。本来は当務の日が、休みに変わる日です。
ちなみに3交代制はこの逆です。「当務→非番→週休」をくり返すと勤務時間が足りなくなるので、昼間だけの「調整日勤」が入ります。同じ消防士でも、勤務形態によって休みの形はかなり違います。
👉 当務の24時間の流れは、こちらで時間の順に書いています:消防士の1日を全公開|現役14年目のリアルな24時間スケジュール【仮眠・訓練・出動】
「1日行って2日休み」は本当?
よく言われるこの言葉は、正確には3交代制の形です。「当務→非番→週休」をくり返すので、基本の形がそのまま「1日行って2日休み」になります。
2交代制の私の場合は、「1日行って1日休み」が3回続いて、そのあとに2日休み。1か月で数えると、当務11回に対して、非番と週休が合わせて19日ほどです。調整休が入ると、そのぶん当務の日が休みに変わります。
非番は「休み」なのか
非番は、当務明けの日です。朝に交替して家に帰るので、日中は基本的に自分の時間です。
ただ、24時間勤務のあとです。私の感覚では、非番の半分は体の回復に使う日。完全に自由な休みと言えるのは、週休日です。私の2交代制では、非番3回のうち2回は、次の日がまた当務です。
1年で数えると何日休み?
私の1か月をそのまま12倍すると、週休だけで年間約96日(8日で1周のサイクルで数えると約91日)。非番も休みとして数えると、年間で約230日になります。ここに調整休、年休、夏季休暇が加わります。年休は年20日ほど使っていますが、当務1回で2日分使うので、休みになる当務は10回ほどです。夏季休暇の5日も、当務にすると2.5回分です。
ネットでは「消防士は年間休日240日」という話を見かけますが、これも非番を休みに数えるかどうかで大きく変わる数字です。ただ、非番は当務明けの日なので、まるごと自由な休みではありません。
会社員と比べると?|平均の年間休日と並べてみた
比べる相手として、厚生労働省の調査を見てみます。民間企業(従業員30人以上)で働く人の平均は、年間休日が116.6日、年休の取得が12.1日です(いずれも2024年ごろの1年間の数字です)。
| 会社員の平均 | 私(消防士・2交代制) | |
|---|---|---|
| 年間の休み | 116.6日 | 週休だけで約91〜96日 非番を含めると約230日(+調整休・夏季休暇) |
| 年休(有給)の取得 | 12.1日 | 約20日(当務10回分) |
| 休みの曜日 | 土日休みが多い | 曜日は決まっていない(土日・祝日・お盆・正月も勤務がある) |
出典:厚生労働省「令和7(2025)年就労条件総合調査」(労働者1人平均の年間休日総数・年次有給休暇の取得日数)
週休だけで比べると、会社員の平均より年間20〜25日ほど少なくなります。ただ、非番も入れれば日数の上では倍近くになります。
ただし、表のいちばん下の行が大事です。休みの曜日が決まっていません。土日も祝日も、お盆も正月も、当務の日は署にいます。
「休みが多い」と言われて思うこと|拘束時間はかなり長い
「休みが多くていいね」とは、よく言われます。でも正直に言うと、実質の職場拘束時間はかなり多いです。
当務の日は24時間、署にいます。朝に交替してからも、家に着くのは9時ごろです。ただし、22時から6時までは「休憩」扱いです。仮眠の時間ですが、出動がかかれば夜中でも出ていきます。
この8時間のうち2時間は、交代で受付業務もあります。休憩扱いとはいえ、その時間も署にいます。署にいる時間は、勤務時間よりずっと長いのです。
「休みの日数が多い」ことと、「働いている時間が短い」ことは、同じではありません。ここは、外からはなかなか見えない部分です。
👉 きつさや後悔したことは、こちらで正直に書いています:消防士になって後悔したこと、きついこと——現役14年目が正直に全部話します
休みと給料の関係|祝日・年末年始の勤務には「休日手当」
休みの形は、給料にも関係しています。
消防の現場は、土日・祝日・お盆・正月も関係なく勤務があります。そのうち、祝日や年末年始に勤務した時間には「休日手当」がつきます。
私の年収の中で、いちばん大きな手当はこの休日手当です。
👉 年収580万円の内訳と手当の仕組みはこちら:消防士の年収は正直少ない?14年目現役が580万円の内訳を全公開|地方消防のリアル
年休(有給)は年20日+夏季休暇5日|連休にはしやすい
年休は、年に20日ほど使っています。当務1回を休むと2日分の年休を使うので、当務にすると10回分です。これとは別に、夏季休暇が5日あります。当務にすると2.5回分です。
年休が取れれば、連休にはしやすいです。当務の日に年休を1回分入れれば、前後の非番・週休とつながって、基本的に連休になります。だから、旅行には行きやすい働き方です。
ただ、最近は年休が取りにくくなっています。
👉 長い休みでいうと、子どもが生まれたときに育休を3か月取りました:育休を取りたいけど職場に言い出せないあなたへ|消防士パパが実践した報告・引き継ぎ・職場調整の全て
休みの日でも出勤することがある
研修・会議・訓練・行事|2か月に1回ほど
非番の日に、研修や会議、訓練、行事で出勤することがあります。私の場合は2か月に1回くらいです。
非常招集|出動が頻発したとき
休みの日に呼び出されることもあります。非常招集です。私が経験したのは、出動が頻発したときでした。
補充勤務|欠員が出たとき
もうひとつが補充勤務です。欠員が出たときに入る勤務で、私が経験したのは2つのパターンでした。
- 当務が明けたあと、そのまま17時ごろまで勤務が延びる
- 当務の前日、17時ごろから入る
どちらも、本来は非番や休みの時間に食い込みます。非番の日に急な補充で呼ばれ、友人の結婚式に出られなかったこともあります。表の「非番11日・週休8日」は、あくまで「だいたいの目安」です。
休みの日の過ごし方|家族・運動・自己研鑽
休みの日の過ごし方を多い順に並べると、①家族 ②運動 ③自己研鑽です。
子どもが生まれてから、休みの使い方は変わりました。
運動は、主にランニングです。月におよそ300km、週5回ほど走っています。ほかに、自宅での筋トレもしています。
自己研鑽は、子どもが生まれる前は資格の勉強が中心でした。たとえば日商簿記3級は、非番や週休の時間を使って勉強して合格しました。いまは資格の勉強は止まっていて、子育ての合間に本を読むくらいです。
👉 働きながら資格を取った方法は、こちらにまとめています:消防士が仕事しながら独学で資格を取る方法|非番・週休を使った3ヶ月合格の仕組みと5資格まとめ
「休みが多いから消防士になりたい」はアリ?
現役としての答えは、「悪くはない。でも、もう少しその人の原体験を聞いてみたい」です。
原体験とは、たとえば「なぜ消防士なのか」「どんな場面でそう思ったのか」です。
ここまで書いてきたとおり、休みの日数は多くても、職場に拘束される時間は長く、休みの日に呼び出されることもあります。
採用試験の面接でも、志望動機はよく聞かれます。
👉 面接で聞かれたこと・失敗したことはこちら:消防士の面接で聞かれること|「なぜこの自治体か」で失敗した現役14年目が質問例と答え方を解説
消防士を目指す人へ|休みについて事前に確かめておきたい3つ
休みの形は、消防本部によっても、担当によっても変わります。志望する前に、次の3つを確かめておくと、入ってからのギャップが小さくなります。
- 勤務形態は2部制か3部制か:当務・非番・週休の並びや、勤務時間を合わせるための休みや日勤の入り方が変わります。募集要項に書かれていないこともあるので、説明会などで確かめておきましょう。
- 休みの曜日が決まっていないこと:交替制勤務なら、土日・祝日・お盆・正月も勤務があります。家族の予定とどう合わせるかを考えておきましょう。
- 休みの日でも呼び出しがあり得ること:研修・会議での出勤、補充勤務、非常招集があります。
よくある質問
Q. 消防士は1日行って2日休みですか?
正確には3交代制の基本の形です。「当務→非番→週休」をくり返すので、おおむね「1日行って2日休み」になります(勤務時間を合わせるための日勤も入ります)。私の2交代制は、「1日行って1日休み」が3回続いたあとに2日休みが来る、8日で1周の形です。
Q. 消防士は週に何回休みがありますか?
私の1か月(当務11回・非番11日・週休8日)で考えると、週休は週に2日弱。非番も合わせると、当務のない日は週に4日ほどの計算です(ただし非番は当務明けの日です)。このほか、調整休が入ると、そのぶん当務の日が休みに変わります。
Q. 日勤(毎日勤務)の消防士はどんな働き方?
消防庁の説明では、毎日勤務は週休2日制の働き方で、総務・予防・警防の事務などを担当する職員が多いとされています。
Q. 消防士の年間休日は何日?
数え方で大きく変わります。私の1か月の目安を12倍すると、週休だけなら年間約96日(8日で1周のサイクルで数えると約91日)、非番も含めると約230日です。これとは別に、調整休、年休(私は年20日ほど。当務10回分です)、夏季休暇(5日。当務2.5回分)があります。
まとめ|非番も数えれば休みの日数は多い。でも「拘束時間」とは分けて考える
- 「1日行って2日休み」は3交代制の形。2交代制の私は8日で1周で、1か月は当務11回・非番11日・週休8日ほど。調整休が入ると、そのぶん当務の日が休みになる
- 非番は当務明けの日。半分は回復に使う
- 24時間のうち22時〜6時は休憩扱い(うち2時間は交代で受付)。署にいる時間は勤務時間よりずっと長い
- 年休は年20日ほど(ただし最近は取りにくい)。当務1回分の年休で基本的に連休になるので、旅行には行きやすい。ほかに夏季休暇が5日(当務2.5回分)
- 非番の研修・会議・訓練・行事での出勤は2か月に1回ほど。休みの日に非常招集されたこともある(出動が頻発したとき)
消防士を目指しているなら、志望する消防本部が2部制なのか3部制なのか(担当によって違うこともあります)を、説明会や採用案内で確かめておきましょう。同じ消防士でも、休みの形は本部によって変わります。
👉 採用試験・面接・必要な資格はこちら:消防士になるには?現役14年目が採用試験・面接・必要な資格や年齢を正直に解説【体験談】
👉 年収・1日・後悔まで、消防士のリアルをまとめた記事:消防士のリアルを全公開|現役14年目が年収・1日・なり方・後悔・資格まで正直に答えます
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