消防士の年収を年代別に解説【20代〜50代・高卒/大卒の違い】|現役14年目が目安と実体験を公開

消防士の年収を年代別に解説するイメージ 消防士のリアル

消防士の年収って、結局いくらなの?

地方消防に勤める、現役14年目の消防士です(30代前半・消防士長)。
「危険な仕事だから給料が高そう」と言われますが、実際の数字は世間のイメージとけっこう違います。

この記事では、消防士の年収を20代〜50代の年代別に、そして高卒・大卒の違いもあわせて整理します。私自身の実際の年収(30代前半で580万円)も公開します。

※先にお断りです。消防士の給料は、勤める自治体・階級・手当の付き方で大きく変わります。この記事の年代別の金額は「一般的な目安」であり、特に40代・50代は私自身まだ未経験のため、公的データや一般的な傾向をもとにした目安として読んでください。正確な数字は、後半で紹介する「自分の自治体で調べる方法」で確認するのが確実です。

📋 この記事を読むと分かること

  • 消防士の年収の全体像(平均と、なぜ幅が出るのか)
  • 20代〜50代の年代別・年収の目安
  • 現役14年目(30代前半)のリアルな年収580万円の中身
  • 高卒と大卒で年収はどう違うのか
  • 自分の自治体の正確な給料を調べる方法
    1. 📋 この記事を読むと分かること
  1. まず結論:消防士の年収は「自治体・階級・手当」で大きく変わる
  2. 【年代別】消防士の年収の目安(モデルケース)
  3. 20代の年収|採用直後は正直キツい【筆者の実体験】
  4. 30代の年収|14年目で580万円のリアル【実額公開】
  5. 20代前半と今で、手取りは月10〜15万円違う
    1. 押し上げているのは「深夜手当」と「休日手当」
  6. 年収を押し上げた正体は、階級ではなく「定期昇給」だった
    1. 階級が1つ上がって、増えたのは月1,000〜2,000円
    2. 本当に効いていたのは、毎年の定期昇給
  7. 40代・50代の年収|ここからは「役職」で差がつく
  8. ボーナスは年収の1割強
  9. 高卒と大卒で年収はどう違う?
    1. 公式の初任給:東京消防庁の例
    2. 私は「高卒程度」の区分で採用されました
    3. 高卒には「4年早く働き始める」という面もある
  10. 自分の自治体の年収を正確に知る方法
  11. 正直な評価:恵まれている点と、限界
    1. ✅ 恵まれていると感じる4つ
    2. ❌ 限界:定年まで働いても、上限が決まっている
  12. よくある質問
    1. Q. 階級が上がれば、給料は大きく増えますか?
    2. Q. 20代のうちは、やはり厳しいですか?
    3. Q. ボーナスはどれくらいですか?
    4. Q. 年収を増やす方法はありますか?
  13. 消防士パパ目線:年収の「数字」より大事だと感じること
  14. まとめ:消防士の年収は「年代×階級×自治体」で決まる

まず結論:消防士の年収は「自治体・階級・手当」で大きく変わる

消防士は地方公務員なので、給料は各自治体の「給与条例」で決まります。
同じ年齢・同じ勤続年数でも、勤める市町村が違えば年収は変わりますし、階級(消防士→消防副士長→消防士長→消防司令補…)が上がるほど基本給も上がります。

さらに消防士の年収を語るうえで外せないのが手当です。24時間勤務で土日祝も働くため、休日手当・夜間手当などが積み重なり、これが年収のかなりの部分を占めます。だから「基本給は高くないのに、年収にするとそこそこになる」のが消防士の特徴です。

【年代別】消防士の年収の目安(モデルケース)

あくまで地方消防の一般的な目安です。自治体・階級・手当で上下するので、幅を持って見てください。

※金額の見方:この記事で「年収」と書いている金額は、特に断りがない限り額面(税込・総支給)です。実際に手元に残る手取りは、社会保険料や税金が引かれて額面の約75〜85%が目安になります(例:額面580万円なら手取りはおおよそ450〜480万円程度)。

年代年収の目安立場・補足
20代約300〜450万円採用直後は低め。経験を積み手当が増えると上がる
30代約450〜600万円消防士長など。筆者は30代前半で580万円(実額)
40代約600〜700万円消防司令補・司令など役職で差がつく(目安)
50代約650〜750万円管理職・階級でピークに(目安)

※20代・30代は私の実体験ベース、40代・50代は私もまだ未経験のため一般的な傾向・目安です。役職に就けるかどうかでも大きく変わります。

消防士utaka
消防士utaka

正直、20代の頃の手取りは“え、これだけ?”という感じでした。昇給と手当で少しずつ上がっていくのが実態です。

20代の年収|採用直後は正直キツい【筆者の実体験】

正直に言うと、消防士になりたての頃の給料は決して高くありません。私の手取りの推移はこんな感じでした。

  • 採用〜消防学校の期間:手取り12万円以下
  • 現場配属後(1〜2年目):手取り約15万円
  • 5年目前後:手取り約18〜20万円

※上記は「年収」ではなく「月の手取り」です。年収(額面)ベースで見ると、20代は前掲の表のとおりおおよそ300〜450万円が目安になります。

20代は基本給がまだ低いので、年収は手当の付き方しだい。夜勤・休日勤務が多い月は増えますが、若いうちは「思ったより少ない」と感じる人が多いと思います。

なお、これは私が採用された頃(約14年前)の金額です。
最近は物価高(インフレ)を背景に公務員の給与改定(賃上げ)が続いており、これから採用される人の初任給・基本給は、私の当時よりも高くなっている傾向があります。そのため、今これから消防士を目指す人のスタート額は、ここで紹介した数字より上振れする可能性があると考えてOKです。

30代の年収|14年目で580万円のリアル【実額公開】

私は現在30代前半・14年目(消防士長)で、令和7年度の年収は580万円でした。内訳はこうです。

項目金額(目安)
基本給(月29万円×12)約348万円
ボーナス(年2回)約70〜75万円(額面)
各種手当(休日・夜間ほか)約155〜162万円
合計(税込み)580万円

ポイントは、年収の約4分の1以上が手当だということ。基本給だけ見ると地味ですが、24時間勤務で土日祝も働くぶん、休日手当などが積み上がってこの金額になります。

👉 【詳細】消防士の年収は正直少ない?14年目現役が580万円の内訳を全公開はこちら

20代前半と今で、手取りは月10〜15万円違う

数字の推移は上に書いたとおりですが、体感としての差も書いておきます。

20代前半の頃と現在(14年目)を比べると、月の手取りで10〜15万円ほど違います。

13年あまりで、月10〜15万円。これを「大きい」と見るか「その程度か」と見るかは人によると思います。ただ一気に増えた年はありません。毎年少しずつ、気づいたら差がついていた、という感覚に近いです。

押し上げているのは「深夜手当」と「休日手当」

基本給以外で年収を押し上げているのは、深夜手当と休日手当です。

消防士は24時間勤務なので、深夜の時間帯にも勤務があり、そのぶん深夜手当(夜間勤務手当)が付きます。さらに、祝日や年末年始が勤務日に当たると休日手当が付きます。ここが、カレンダー通りに働く職種との一番の違いです。

逆に言えば、勤務の入り方によって月ごとの手取りは変動します。「消防士の給料はいくら」と一言で言いにくいのは、この部分が大きいからです。

👉 手当の種類と金額の内訳は 消防士の年収は正直少ない?580万円の内訳を全公開 に詳しく書いています。

年収を押し上げた正体は、階級ではなく「定期昇給」だった

ここが、14年目まで働いて一番意外だったところです。

「階級が上がれば給料が増える」と思っていました。実際は違いました。

階級が1つ上がって、増えたのは月1,000〜2,000円

私は9年目に消防士長へ昇任しています。そのとき増えた金額は、月1,000〜2,000円程度でした。

年額にすれば1万2,000円〜2万4,000円。責任と役割は明確に増えましたが、年収の押し上げ要因としては小さいのが実態です。

👉 昇任がどう決まるか(試験がない本部の実際)はこちら

本当に効いていたのは、毎年の定期昇給

では何が年収を押し上げたのか。答えは毎年の定期昇給です。

公務員は、毎年の人事評価(勤務成績)にもとづいて昇給します。ふつうに勤務していれば、基本給は毎年上がります。1年あたりの上がり幅は大きくありません。ですがこれが10年以上積み重なると、金額として無視できない差になります。

昇任による増加は「一度きりの上乗せ」ですが、定期昇給は、ふつうに勤務していれば毎年積み上がる。しかも基本給が上がれば、それに連動するボーナスや各種手当も増えます。

年収が増える要因1回あたり効き方
定期昇給年ごとに少しずつ毎年・ふつうに勤務していれば積み上がる。これが主役
階級の昇任月1,000〜2,000円一度きりの上乗せ。責任は大きく増える
深夜・休日手当勤務した分働いた分だけ確実に付く

40代・50代の年収|ここからは「役職」で差がつく

ここからは私自身まだ未経験なので、一般的な傾向としてお伝えします。
40代・50代になると、消防司令補・消防司令といった役職(階級)に就けるかどうかで年収が大きく変わってきます。

役職が上がると基本給が上がる一方、管理職的な立場になると現場の手当が減るケースもあります。それでも勤続年数と階級でベースが上がるため、40代で600〜700万円台、50代でピークを迎えるのが一つの目安です。参考までに、総務省の「令和7年地方公務員給与実態調査」では、全国の消防職の平均給与月額(給料+諸手当)は426,274円(平均年齢38.9歳)で、ボーナスを加えた年収は600万円台後半と試算できます。

ボーナスは年収の1割強

ボーナスが年収に占める割合も書いておきます。私の場合は1割強です。

580万円のうち、ボーナスは額面で年70〜75万円(手取りで56万円ほど)。残りが月々の給料と手当という構成になります。

ここで大事なのは、ボーナスが基本給に連動するという点です。前章で「定期昇給が主役」と書きましたが、基本給が上がればボーナスも自動的に増えます。定期昇給は、月給とボーナスの両方に効いてくるということです。

そして民間と違い、業績で消えることがありません。額の大小より、この「確実にある」という性質のほうが、家計を組むうえでは大きいと感じています。

高卒と大卒で年収はどう違う?

結論から言うと、初任給は大卒のほうが高く、その差は年数がたってもなくならない、というのが私の実感です。
一方で、昇任のしやすさや早さに、学歴による差は感じていません。

公式の初任給:東京消防庁の例

区分初任給
消防官Ⅰ類(大卒程度)約321,900円
消防官Ⅲ類(高卒程度)約279,400円

差はひと月あたり約4万2,500円です。
募集案内には「学歴、職歴等に応じて、一定の基準により加算される場合があります」とも書かれています。

※令和8年1月1日現在の給料月額に地域手当を加えた額。出典:東京消防庁採用情報サイト「消防官Ⅰ類」・「消防官Ⅲ類」(2026年9月確認)。初任給は自治体ごとに違うので、受ける本部の募集要項で必ず確認してください。

私は「高卒程度」の区分で採用されました

私は専門学校を出て、高卒程度の区分で受験・採用されました。
1年目の基本給は約14.3万円、手取りは12万円に届かないくらいでした。
(東京消防庁とは地域手当などの条件が違うので、上の表とは単純に比べられません。)

職場で見ていても、大卒と高卒の給料の差は、年数がたってもなくならないと感じます。
ただ、昇任については学歴で有利・不利を感じたことはありません。

👉 消防士の昇任試験がない本部では、どうやって昇任が決まる?|試験なしで消防士長になった現役14年目が正直に解説

高卒には「4年早く働き始める」という面もある

高卒で採用されると、大卒より4年早く働き始めます。
その4年分の給料と勤続年数が先に積み上がる、という見方もあります。
どちらが得かは一概に言えませんが、学歴で差がつくのは主に給料で、昇任ではない、というのが私の実感です。

自分の自治体の年収を正確に知る方法

「結局、自分が受ける自治体はいくらなの?」を正確に知りたいなら、次の2つが確実です。

  • 各自治体が公表している「給与・定員管理の状況」や給与条例(職員の初任給・平均給与が載っています)
  • 総務省の「地方公務員給与の実態」(消防職員の平均給料月額などが分かります)

受験を考えているなら、志望する自治体名+「給与」「初任給」で検索して、一次情報を確認するのがいちばん正確です。

正直な評価:恵まれている点と、限界

14年目の今の、正直な評価を書きます。良い面と、そうでない面の両方です。

✅ 恵まれていると感じる4つ

  • ボーナスが確実にある。業績で消えることがない
  • 定期昇給がある。ふつうに勤務していれば、毎年基本給が上がる
  • 時間外勤務がしっかり付く。サービス残業になりにくい
  • 深夜・休日の手当が確実に付く。働いた分は反映される

民間で働く友人の話を聞くと、この4つが揃っているのは当たり前ではないと分かります。特に「働いた分が確実に付く」は、消防士の給料を語るうえで外せない良さです。

❌ 限界:定年まで働いても、上限が決まっている

一方で、はっきりした限界もあります。定年退職まで働いても、上限が決まっているということです。

給料は給与条例で決まっています。どれだけ現場で成果を出しても、民間のように青天井で伸びることはありません。年収1,000万円を目指す職業ではない、とはっきり言えます。

つまり消防士の給料は、「上限は低いが、下限も低くない」という性質です。大きく当てることはできませんが、大きく外すこともない。この安定性に価値を感じられるかどうかが、消防士という選択の分かれ目だと思っています。

よくある質問

Q. 階級が上がれば、給料は大きく増えますか?

私の場合は、大きくは増えませんでした。消防士長になったときの増加は月1,000〜2,000円程度です(増え方は階級や自治体によって違います)。年収を押し上げているのは、階級ではなく毎年の定期昇給と深夜・休日手当です。

Q. 20代のうちは、やはり厳しいですか?

正直に言えば厳しいです。私の場合、20代前半と現在では月の手取りで10〜15万円の差があります。ただし近年は公務員の給与改定が続いており、これから採用される人のスタート額は、私の当時より高くなっている傾向があります。

Q. ボーナスはどれくらいですか?

私の場合、額面で年70〜75万円(年収の1割強)です。基本給に連動するので、定期昇給で基本給が上がればボーナスも増えます。

Q. 年収を増やす方法はありますか?

手当が付く勤務に入ること、そして勤続年数を重ねることです。ただし上限は給与条例で決まっているので、民間のように大きく伸ばすことはできません。

消防士パパ目線:年収の「数字」より大事だと感じること

FP3級の勉強をして気づいたのは、消防士の強みは「金額の高さ」より安定性だということです。
毎月決まった給料とボーナスがあり、手当の仕組みも明確。育休も取得できました。派手ではありませんが、家族を持って生活設計を立てるうえで、この安定はとても大きいと感じています。

消防士utaka
消防士utaka

同じ“消防士”でも自治体や階級で結構変わります。ネットの平均値より、受けたい自治体の数字を見るのが確実です。

まとめ:消防士の年収は「年代×階級×自治体」で決まる

  • 20代は低めスタート、30代で450〜600万円が目安(筆者は30代前半で580万円)
  • 40代・50代は役職(階級)で差がつき、50代がピーク(目安)
  • 初任給は大卒のほうが高く、その差は年数がたってもなくならない。昇任のしやすさに学歴の差は感じない(筆者の実感)
  • 正確な数字は自治体の給与条例・総務省データで確認を

数字だけ見ると地味かもしれませんが、安定して働けて家族を支えられる——それが消防士という仕事のリアルです。

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